不動産を相続したら行うこと

相続の話は、できるなら避けておきたい所です。
身内同士でいがみ合うことになり、変なトラブルも起きやすくなるからです。
また相続は自分に関係ないと、他人事のように捉えている方もいらっしゃるでしょう。
でも“今は“関係なくても、”いつか“は誰しも深く関わることです。

相続できる財産と一言で言っても、色々な種類があります。
分かりやすい所で言えば、お金でしょう。
銀行に被相続人が生前預けていたお金やタンス預金などがあれば、相続財産として扱うことができます。
他にも自動車や権利関係、保険や趣味で集めていた骨董品も相続財産の1つです。
ただ相続できる財産はプラスだけでなく、マイナスのものも含まれています。
被相続人が生前に借金を背負っていたのならば、借金も受け継がなければならないのです。
ただし借金の額があまりにも大きいのならば、「相続放棄」をすることにより支払いを免れることができます。

ただ相続できる財産の中でも、最も面倒なのが不動産です。
不動産はお金のように、相続人同士で分けることは実質的に不可能です。
手続には法律的な知識も必要になるので、素人では太刀打ちできません。
ではどうやって、不動産の相続を進めれば良いのでしょうか。

不動産だけでなくありとあらゆる財産の相続をするにはまず、遺言書を確認します。
相続した財産をどう分けるかは、遺言書に全てかかっていると言っても過言ではありません。
既に遺産分割協議を終わっていたとしても、遺言書が見つかればもう一度やり直さなければならない場合もあります。
だからこそ遺言書は、何が何でも必ず見つけ出さなければならないのです。
遺言書は生前住んでいた自宅だけでなく、病院や入所していた施設も徹底的に探しましょう。
人によっては銀行の貸金庫に遺言書を保管していることも考えられるので、銀行にも必ず問い合わせて下さい。
また公証遺言書を作成していたのならば、役所に問い合わせる必要もあります。

ただし遺言書が見つかったとしても、すぐに開封することはできません。
遺言書があったら、家庭裁判所で「検認」の手続が必要になるからです。
検認は遺言書の存在を知らせると同時に、偽造を防ぐためにあります。
ちなみに公証遺言書の場合は、検認手続は不要です。

遺言書が探しても探しても見つからない場合は、相続人同士で話し合いを行います。
これを遺産分割協議と言います。
遺産分割協議は、相続人全員が参加しなければいけません。
しかし近くに相続人が住んでいるのならばまだしも、中には遠くに住んでいて都合がつかない人もいます。
全員集まるのが難しいのならば、電話やメールでも十分です。
ただしどういう形で協議をするにしても、相続人全員の承諾は絶対に必要です。
もし話し合いに決着がつかなければ、調停へと持ち越されます。
誰がどの財産を相続するの全員の承諾を得て初めて、相続の手続へと移ることができるのです。

誰がどの財産を相続するのかが決まれば、いよいよ手続へと移ります。
手続の中には期限が設けられているものもあるので、必ず守って下さい。
しかし不動産に限って言えば、いつまで手続をしなければならないという期限はありません。
大袈裟に言ってしまえば、20年後に不動産の手続を進めても問題ないのです。
ただし不動産の手続を放置してしまうと、後で大きなトラブルを招いてしまう恐れがあります。
手続をせずそのままにするよりは、きっちりとしておいた方が後のためになります。

では不動産の相続手続きは、どうすれば良いのでしょうか。
まずは被相続人の戸籍謄本や登記事項証明書などの、必要書類を揃えます。
どういう書類が必要になるかは、法務局へ問い合わせれば丁寧に教えてくれるでしょう。
必要書類が揃えば、後は法務局へ提出です。
提出先となる法務局は、不動産がある地域を管轄している法務局です。
近所の法務局に届ければ良いという訳ではないので要注意です。

相続財産に不動産が含まれているのならば、相続税がかかる場合があります。
例え不動産を相続したとしても、評価額が基礎控除額内に収まっているのならば問題ありません。
しかし評価額が基礎控除額より多い場合は、相続税の納税と申告が必要です。
相続税の手続を進めるには、不動産の評価額を割り出す必要があります。
ただ不動産の場合は色々な特例があるので、専門的な知識が必要となり少々難しくなっています。
ちなみに相続税手続の期限は、相続開始時から10ヶ月以内と定められています。
万が一期限に遅れると、延滞税などの停滞ペナルティが課せられてしまいます。
変な出費を抑えるためにも、期限は必ず守りましょう。
事前に相続税のシミュレーションをするのもおすすめです。
参考:相続シミュレーション

相続の問題は一度こじれてしまうと、取り返しのつかないことになってしまいます。
特に不動産にまつわる相続はトラブルも多く、裁判沙汰になることも珍しくありません。
1人で何もかも解決するのには、流石に限界があります。
専門家に相続対策を依頼しておくと安心です。
もし相続について少しでも難しいと感じたのならば、専門家に任せることをおすすめします。